1980年代初頭の週刊少年ジャンプを振り返るブログを作ってきてみて、まあ懐かしい気持ちとほぼ同じくらいに「驚き」というのが多々あったのだが、懐かしさと同時に改めて大きな驚きだったものの一つが、『奇面組』の面白さ、であった。
新沢基栄の作品。『3年奇面組』⇒『ハイスクール! 奇面組』と続くのだが、一貫してクオリティが高い。今週はつまらなかったな、と思うような回が、な、ない!←全然自信ねーじゃん、
一番好きなギャグはこれかな。『3年奇面組』時代のもの。
「受験目前! マイペース奇面組の巻」より:
あまりにもさりげなく描かれていて、ギャグと気づかずそのまま通り過ぎてしまいかねないほどであるが、これが奇面組ギャグの最高傑作だと思う。ハイセンス極まりない。素晴らしいではないか。いいねえ、受験勉強ネタ。
『3年奇面組』の時点で既に十分完成されてたのだが、『ハイスクール! 奇面組』になってさらに漫画作品としての熟度が加速していってるんだわ。
例えば、「秋 きてみませんか非常識公園の巻」のこのシーンとか、
この場面のポイントは、零クンが真剣な表情だというところです。命がけで彼はギャグをやってるんですよ。我々は皆、零クンのように励まなければならないのです。「永久機関」ってのがまたセンスいいよねえ。
でも、ちょうど同じ回にこんな新ギャグがあって、
必殺「やかましぶわさ」
これがもしアニメなら面白いのかもしれないけど、漫画だとニュアンスが伝わりづらいんだよねえ。てか、そもそもあんまし面白くないかもしれないし(笑)、
ところが、次の回でも同じギャグをかますんだよ、
必殺「やかましぶわさ」2
おそらく両足の動き方がカギなのだろう。作者のイメージしてることが漫画で伝わりきれていないのだ。繰り返しになるが、アニメでやれば面白さが伝わるかもしれないんだけど。
んで、さらに次の回でも同じギャグを・・・
失敗「やかましぶわさ」
3回やるのはお約束のハズなのだが、作者自身によりはぐらかされている。
これ、今読んだら別に大したことないかもしれないけど、当時としては3週間かけた実験的試みだったんだよ、今にして思えば。
『奇面組』、奥が深い。読み込めばまだまだ新たな発見があるかもしれない。
とにかく季節感に彩られているのよ。そこだけ味わうだけでも楽しめる。80年代の、というより昭和を代表すると言っても過言ではない最高の学園ギャグ漫画なのだ。
てか、ここに上げた引用を見てお判りいただける通り、カラーの回がとにかく多い。重宝されてたんですよねえ、この時代の少年ジャンプで。
てか、アニメでもやったんだっけ?
冬至の日の出。
朝食:
晩飯(笑):