終局が14時13分。藤井竜王が持ち時間の半分近くを残しての勝利。かなり早い。でも藤井聡太も挑戦者・佐々木勇気八段もおそらく時間調整と思われる時間帯があったから、本当はもっと早く終わらせることもできたのだろう。どうせならそっちの方を見たかった。午前中のうちに終わってほしかった、どうせなら。
 なーんて。所詮は興行だもの、そんなわけにもゆくまい。さすがに佐々木八段は投了前は魂が抜けたようだったが、そこから明るく振る舞ったのは立派だと思う。以前はあまり好きではなかったが、だんだん佐々木勇気が好きになってきた。天才なんだね、いろんな意味で(笑)。
 佐々木勇気さん、ものすごく強いんだけど大味なイメージがある。負ける時は踏ん張りがきかないイメージ。もっとも、藤井聡太も負け際があっさりしてる時もあったりするから、そこはさして問題ではない。
 局後のインタビューや感想戦で、局面への対応について、手を読むのは読み切れないから事前に「知識」として得ておきたい、という意味の発言を正直にしていて、ああこれが藤井聡太との違いか、と思った。
 というか、これは勇気氏だけじゃないんだろうね、今の将棋ってこーゆーふーになってるんだなと改めて実感した。
 藤井聡太は、大変でも手を(おそらくできるかぎり全部)ちゃんと読んでるんだよ。し・か・も、知識も持ってるんだよ(笑)。したら、負けるわけねーわな。だからこそ相手は知識量で勝負しようとする。
 そうか、「知識」なのか。こういう場合は「知識」っていう言葉を使うんだね。決して皮肉じゃなく、勉強になった。
 して、勇気八段、どこがマズかったのか最後まで分かってなかった模様。1回目の☗7一角自体は指し手として間違ってなかったと思っていた模様。藤井聡太は「知識として」手順に誤りがあったのをどこまで分かっていたのか。ひゃー、すべてお見通しだったりするのか。こりゃ勝てねーわ。
 なーんて。油断してるとすぐ追いつかれる。昨シーズンも2勝2敗から藤井が抜け出しての防衛だった。番勝負は1局1局が決勝戦なのだ。
 いや、この2日間、面白かったけどね。個人的には、持久戦より急戦の方が好きかもしれない。本局は早く終わり過ぎたかもしれないけど。面白いものを見させていただきました。紛れもなく天才同士の戦いでした。



投稿者

エヌ氏

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