「雨耕亭桟敷」の方に載せる新しいブログでも作ってみてーなーと思い、シャーロック・ホームズで何か面白い事などできねーかなーと思っていて。ところが、世の中には世界中にシャーロキアンという人たちが山ほどいて、大概の事は既に行われてるのを私は知っているのであるが。(BGM:ムーンライダーズ「マニアの受難」)
これも既に誰かがやっているかもしれない。私が思いついたのは、ホームズ物を『刑事コロンボ』シリーズのような倒叙法(犯人を最初に明かしてから物語を進める)で出来ないかなあと。長編4・短編56のホームズ全作品のうち、倒叙法に馴染むものってあるのかを1作ずつ検証するという。小説の形じゃなくとも、ドラマでも漫画でも何でも構わないんだけども。ダメ?もう誰かやっているのかなあ。例えば『緋色の研究』を第2部から始めてみて面白いかどうか確認するってことなんだけど(笑)。
そんで実際に『冒険』『思い出』辺りをパラパラーっとめくってみたわけよ。結論を言うと、ムリだと分かった(笑)。てか、この企画自体が面白くないと分かったのさ。
「赤髪組合」って、最初に犯人を明かしてからでも面白いストーリーになるかどうかと考えてるうちに、あれ?と思って。ジェレミー・ブレット主演のグラナダ版のTVシリーズではどんな風に描かれてたんだっけ?と思い、Vを引っぱり出して実際に見てみたら、冒頭で犯罪の発端となる部分がある程度しっかり描かれてるのよ(笑)。犯人そのものも、薄らぼんやりだけど、割かしちゃんと映ってるのね。正しく(まさしく)、もう既に行われてたわけ。その瞬間、つまんねーと思った(笑)。
「赤髪組合」に限らず、グラナダ版のシリーズって必ずイントロダクションで話の発端部分がイメージ的に描かれてんのね。それが故に興醒めと感じられてしまい、私もそんなに好きじゃないんだけども。
ほいでもパラパラーっとめくってみてるうち、「海軍条約文書事件」ってどうだろうと思って。
「海軍条約文書事件」ってどういう話だったっけというと、犯行現場のこの略図が出てくる回で。

(新潮文庫版より)
なかなか好きなエピソードです。これが倒叙法でイケるんじゃないかと思い始めてきて。
つまり、犯人の目線により、犯行がおこなわれる所から物語が始まるわけよ。それであっても物語全体として、意外と楽しめるんじゃない?
念のためグラナダ版のドラマを見てみたら、イントロダクションは被害者が錯乱している情景なのね。当然、犯人はまだ分からないワケ。
んで、新しい私のアイデアでは、犯人が最初からもう顔を出しちゃうわけよ。どう?そのままストーリーが流れていっても面白そうでしょ「海軍条約」は。イケるぞ!これは、
・・・って思ってたんだけど、全ホームズ作品の大団円の中でも最も印象的かつユニークなものの一つである本作の場面が、倒叙法だと生きてこないというのに気づいた。犯人が「主人公」なのだから、犯人が捕まったら物語もその場面で終わらせなければならない。『コロンボ』はそうしている。(「海軍条約」の場合は、犯人が捕まったわけではないっぽいけど。)

(ウィリアム・H・ハイドによる挿絵)
ということで、ブログのボツネタの紹介でしたー。
いやーしかし、犯行現場の略図って「金縁の鼻眼鏡」にも登場するけど、このエピソードも私のフェイバリットなのだが、こーゆー略図が出てくるとそれだけで今でもけっこう胸がときめいてくるわ(笑)。
トキメキさえ失わなければ大丈夫と思う。

(新潮文庫版より)
逆に、『コロンボ』で倒叙法の話を、犯人を伏せたままで描けるかを検証するってのはどうでしょう?
そっちの方がさらに企画倒れですよね・・?
↓ 月

朝食:

新規の納豆にネギを乗せてその上に前日の残りネギ納豆をトッピングしたと思しきもの

よく混ぜれば、ほら大丈夫。

こわくない、こわくない。
晩飯(笑):
